江頭路子、後藤美月、神保賢志、宍戸竜二、坂内拓、舘林愛、友田厚子、星野勝之、松倉香子、水野朋子、南トトコ、山口夕希子、渡邉美里
あしだゆみ、岩崎アヤノ、太田侑子、開楽智治、駒井和彬、佐藤香苗、斉藤高志、テシマヤスコ、越井隆、高良真秀、田尻恵理菜、chicaotaki、徳丸優子、友広剛、とやちかこ、難波瑞穂、平尾直子、hiROmi、町田七音、山口志乃、山崎カズヒコ、山路奈央子、吉川周哉
今回のコンペでは、125人から、576点の作品が集まりました。
大森とこ、木内達朗、森流一郎の3人の審査は、まずは全応募データーを拝見するところから始めました。
次に、各審査員が気になった応募者の名前を、自由に挙げていきました。ここで、2人以上の審査員から選ばれた方を、最終選考に残すこととなりました。
この結果残った皆さんを、1次選考通過としました。
そして、1次選考通過者全員を対象に、10点満点で採点するという方法をとりました。
3人の審査員の採点結果を集計したところ、最高得点を獲得したのが、龍神貴之さんでした。次点は、IC4DESIGNさん。そのあとに、加藤健介さんと、永吉秀司さんが続きます。この4人の点差はわずか。かなりの接戦でした。
そこで、集計結果第1位の龍神貴之さんを大賞とする他に、賞を特設することとしました。
大賞を争ったIC4DESIGNさんには金賞、加藤健介さん、永吉秀司さんには、銀賞を贈ることとしました。
既にお仕事で実績のある方、他の公募等で入選・入賞している方からの応募が多く、プロフェッショナルを謳う「イラ通」にふさわしい、レベルの高いコンペになりました。
ご応募いただいた皆様に心からのお礼を申し上げるとともに、更なるご活躍をお祈りいたします。
プロフェッショナルイラストレーター集団 イラストレーターズ通信 主宰・理事 森 流一郎
東京造形大学美術一類卒業。透明感、刹那感等をテーマに99年頃より活動開始。主に国内外のアパレルのビジュアル広告やプロモーション、書籍装画・挿し絵、雑誌、ウィンドディスプレイ、グリーティングカード、ユニクロ、GAPTシャツなどで国内外で活動中。イギリスの Martin Dawber著『New Fashion Illustration』、香港AllRightsReserved Ltd.の 『The Age of Feminine Drawing』、ドイツTASCHEN社の『ILLUSTRATION NOW! VOL.2』等に掲載。
このようなコンペディションで大役を頂きまして、恐縮しております。
入賞された方は、世界観だけでなく描きこみにも安定感があって、素晴らしいと思いました。
一次選考で残らなかった方でも、個性的ですごいなぁと思える作品があったり、入賞された方も含め絵を描くための道具の扱いが慣れている様子があり、全体的にレベルが高いなぁ、と感じました。
作品を順番にみていって、加藤健介さんの絵はフッと心地よい風が吹いてるような、自然で優しい動きを感じました。
他の方の作品も何度も繰り返し見ているうちに、思い入れや印象が強くなる作品も出てきて点数を入れるのは心苦しくなり、かなり迷いました。
私自身は公募展を提出した経験が何度もあるのですが、選ばれた経験がありません。ですので今回選ばれなかった方も、地道にやっていくと良いと思います。
私の普段の仕事では、女性向けの仕事が比較的多い事もあり、今回は、私自身がクライアントさん、デザイナーさんや雑貨屋さんになったつもりで、具体的にこんな仕事が合いそうかな、などと思い浮かべながら見てゆきました。
自由な気持ちで直感的に「可愛い」「素敵」と感じたりしたものや色が綺麗だなぁと感じた人に、また、安定感がある作品に感じたものにも、それぞれ点数を入れさせて頂きました。
イラストレーターは色々なジャンル(タイプ)のお仕事があって、目的を指定されて描く事が多いので、完全な独自性を強く貫くのは難しいです。しかし、創作意欲はその独自性も大事だとおもいます。曖昧さの中でどうバランスよく進めていくかが自分の中での課題だと思もってます。
この度は本当にありがとうございました!
1966年東京生まれ。国際基督教大学生物科卒業後、渡米。Art Center College of Design卒。主な仕事に、漫画『チキュウズィン』(木内達朗・作/新潮社)、絵本『氷河ねずみの毛皮』(宮沢賢治・作/偕成社)、英国ロイヤルメール2006年クリスマス切手、スターバックス2007年クリスマスキャンペーンなど。講談社出版文化賞受賞。
今回は応募作品の水準が高かったという印象を持ちました。第一回目のコンペでは作品を未発表のものに限っていたところを、今回から既発表でも応募可能とした部分が顕著に現れた結果ではないかということで、とても良いことだと思います。つまりプロとしてすでに仕事をしている人の作品が多く集まったわけで、見ていて楽しかったです。
それに従って選考する側としても、僕個人はですが、荒削りだけど可能性を秘めていると思われる新人の作品というより、プロの仕事として優れていると思われるものに目が行きましたし、プロレベルの仕事というあたりを一つの選考基準としてみました。
プロの仕事というのもは、第一にクライアントの希望に沿ったイメージを制作、提示するものであって、自分の好きな絵を描くことではありません。ですから、ともすると小さくまとまってしまってつまらないということになり、目立つ作品が好まれるコンペでは入選しにくいものです。しかし、イラストレーションの仕事の大部分は、もちろん例外はありますが、夢のような独創性や作家性が展開された野性味あふれるものではなく、言葉にするとあまり良い印象ではないですが、堅実に程よくまとまっているものだと思います。それはたしかに言ってみればつまらないと言えないこともないですね。といいますか、プロの仕事はつまらないものなんです。僕自身の作品も非常につまらない。なんて言っちゃうと怒られるかもしれませんが、瞬発力より持久力が大切なんじゃないかということです。
クライアントの希望を満たしつつ、その中で最大限のクリエイティブな表現をすることこそやりがいがあるわけで、そういう仕事を評価するコンペがもっとあってもいいと常々思っていましたし、こういう性格のコンペにもっとプロの応募者が増えるといいなと思います。なんといってもイラ通は、プロにとってのプロモーションツールであるという現実的な使命がありますので、なおさらではないでしょうか。
良い仕事をして、それが評価される。こんな嬉しいことは他にありません。これは何歳になっても、どれだけキャリアを積もうとも変わらないですよね。
1964年大阪生まれ。「イラストレーターズ通信」主宰・理事。主な仕事に、小説挿絵『なぎさの媚薬』重松清/著(「週刊ポスト」にて連載)、新聞小説挿絵『カシオペアの丘で』重松清/著(信濃毎日新聞ほかで連載)、新聞小説挿絵『摘蕾の果て』大崎善生/著『長崎新聞』ほかで連載)、新聞小説挿絵『これから』杉山隆男/著(『北日本新聞』ほかで連載)など。小説挿し絵、装幀を中心に活動中。
前回以上のハイレベルな応募作品に、わくわくと心躍らされる審査となりました。
大賞になってもいいのではないかと思える方が何人もいて、誰かを落とさねばならない作業は、前回以上につらい役目ともなりました。
特に、最終選考には残らなかったものの、agoeraさん、ワタナベモトムさんの作品には強く惹かれました。今後の活躍に期待したいです。
ところで、イラストレーターになるために必要なものは何でしょう?
100人のイラストレーターに訊けば、100通りの答えが返ってくるでしょう。多分そのどれもが間違いではありません。
それを承知で、あえて私個人の考えを述べるとしたら……
プロのイラストレーターになるために必要なものは3つ。
「努力、運、才能」ではないでしょうか。
ただし、3つすべてをもつ必要はないと思います。このうちの2つがあれば、なんとかイラストレーターになれると感じています。 常日頃から努力している者に運が訪れれば、たとえ才能はなくとも成功することでしょう。
才能あるものが努力を続けていれば、たとえ運はなくともいつか道は開けるはずです。
才能あるものに、運が味方したら、たとえ努力はしなくとも、仕事に恵まれるようです。
そして、もしも3つすべてを持ったなら、時代を代表するイラストレーターになれるのだと思います。
私にはたいした才能はありませんでした。だけど、努力と多少の運でここまで来れたと思います。
入賞・入選の皆さんも、惜しくも選に漏れた方々も、そして私自身も、まだまだこれからだと思います。
お互い、同じイラストレーターとしてがんばっていきましょう。
「第2回『イラ通』イラストレーション・コンペ」の入賞・入選者による展覧会が開催されます。
会期:2011年5月9日(月)〜31日(火)(日曜休廊)
時間:10:00〜19:00(土曜日は13:00〜19:00、最終日は17:00まで)
授賞式・受賞パーティー:5月14日(土)17時から
会場:マルプギャラリー(東京都豊島区池袋3-18-5 tel 03-5926-6772)
http://malpu.com/gallery/gallery.html
※5月21日(土)、28日(土)は、森流一郎のイラストレーションクリニック開催(無料)。
プロフェッショナル イラストレーター集団 イラストレーターズ通信
〒188-0004 東京都西東京市西原町5-3-5
TEL & FAX:042-452-6455(森イラストレーション事務所)
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